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お葬式・葬儀の費用の平均相場はいくら?直葬や家族葬との比較

投稿日:2017年4月16日 更新日:

最近では、さまざまな形式のお葬式・葬儀がありますが、一般的に葬儀費用の相場とはどのくらいなのでしょうか?また、葬儀にはどのようなものに費用が発生するのでしょうか?今回は、分かりづらい葬儀費用の相場について注意点も踏まえながら解説していきます。

相場と言っても基準が大切

一部の葬儀会社の広告やホームページでは、「我が社の葬儀費用は、全国平均に比べてこんなにお安いですよ」などとアピールしているところがあります。

その根拠となる統計データには、日本消費者協会の「第10回葬儀に関するアンケート調査(2014年度)」で全国平均189万円、経済産業省の「特定サービス産業実態調査(2014年度)」で全国平均142万円といったデータが利用されています。

しかし、この統計データは消費者から見ると、あまり参考にならない数値です。なぜなら、日本消費者協会の場合はアンケート対象は会員のみであり、その中で最近葬儀があり、かつ費用負担をした人だけの統計を出しているため、圧倒的にデータの数(標本)が少ないのです。

また、経済産業省のデータは、ある期間の売上高と取扱件数から、1件あたりの葬儀費用を算出しただけなので、葬儀会社だけの計算です。提携業者や寺院にかかる費用は含まれていません。また、地域によって風習が異なるため葬儀費用の平均は都道府県によっても大きく異なります。

そもそも、最近では葬儀の考え方が多様化しているので、葬儀はせず火葬だけで済ます方も非常に多いのが現状です。そのため、葬儀費用と一口に言っても基準はさまざまです。全国平均は決して葬儀費用の相場ではありません。

一部の葬儀会社の広告は、その「全国の一部の人々の平均データ」と「自社の最も安いプラン」を比較しているだけなので、葬儀会社を決める判断材料にしてはいけないのです。

重要なのは葬儀費用の内訳であり、棺にいくらかかるかですとか、火葬にいくらかかるかといった費用を知り、葬儀会社の見積りを見て、それが妥当かどうかを自分で判断することなのです。

今回は、葬儀費用を「家族葬(密葬)」「直葬(火葬式)」の葬儀形式を例に解説していきます。

「家族葬(密葬)」「直葬(火葬式)」の違いはコチラ

3つの費用

祭壇

一般的に「葬儀費用」というと、以下の3つの費用がかかります。葬儀会社によっては基本的な葬儀費用は全てプランに含めているところもあれば、含めていないところもあるため、各葬儀会社が提示している金額は決して同一条件ではありません。

そのため、葬儀費用で葬儀会社を比較する場合は、同じ土俵で比較する必要があります。インターネットで探して、目についた安い金額で葬儀会社を決めてしまうと、あとあと追加料金がかかり割高になってしまうこともあります。

葬儀会社へ支払う費用
葬儀会社の売上となる部分です。葬儀プラン・葬儀形式・参列者数・その他条件により大きく変わります。各葬儀会社が同じ条件で葬儀費用を提示しているのかどうか注意が必要です。

手配業者へ支払う費用
葬儀会社が手配を代行した専門業者の売上となる部分です。例えば、通夜料理・精進料理などは葬儀会社が作っている訳ではなく、お弁当業者を手配していますし、寝台車・霊柩車も専門業者を手配します。通常は基本プランに含まれていることが多いのですが、葬儀会社によってはこの費用を含めず格安料金を提示していることもあるため、注意が必要です。事前に見積りの段階で確認しましょう。

お寺へ支払う費用
仏式であれば、お寺に支払うお布施の部分です。普段から付き合いのある寺院(菩提寺)があればご自身で手配する必要があるのですが、付き合いがない場合は葬儀会社が手配を代行します。火葬式の場合は葬儀をせず、火葬場に参列者が集まるだけですが、僧侶を読んで読経だけしてもらうこともできます。

内訳が重要

葬儀費用の内訳項目によっては、「選択可能」なものと、「条件次第」で変動するものに分けることができます。

選択可能なもの
自分の判断で葬儀に必要か必要でないかを決めることができ、さらにそのグレードも選択できるため、葬儀費用を自分でコントロールできる部分の費用です。具体的には、「物品のグレード」「葬儀の形式」「利用する施設」などです。大切なのは、故人へのお気持ちと、どのようなお別れにしたいかイメージすることです。予算と相談の上、判断しましょう。
条件次第で変動するもの
条件次第では費用が変動するため、自分の判断だけではコントロールできない部分の費用です。具体的は、「参列者数」「安置日数」「走行距離」などで、場合によっては追加料金がかかる場合もあります。そのため、余裕を持って考えておくべき項目です。

以下に、葬儀にかかる費用の内訳を表でまとめます。相場はあくまで目安なので参考までにしてください。青枠のものが家族葬(密葬)直葬(火葬式)どちらも必要となるものです。

内訳

まず、ドライアイスの費用は安置から火葬までの日数に応じて費用が変動し1回1万円程です。

寝台車・霊柩車にかかる費用は、病院から自宅または安置所、安置所から火葬場または葬儀場、葬儀場から火葬場など、移動のたびに2万円程かかり距離によっては追加料金も発生します。

安置室料は8千円程からで、自宅や病院で安置する場合は省略もできます。棺は、1万5千円から30万円以上するものまで幅が広く、葬儀費用に大きく影響する項目です。湯灌(ゆかん)は専門の納棺師が入浴・メイク・着せ替えを全て行うと13万円以上かかるため、最近では省略される方も多いようです。

花祭壇にかかる費用も、3万円から100万円以上と幅が広く、グレードによって葬儀費用が大きく変動する項目です。位牌は2千円程度で無宗教であれば省略もできます。枕飾りや後飾りは、葬儀前や葬儀後に一旦自宅に運んだ場合に必要なものなので不要であれば省略できます。基本的に遺影写真・焼香用具も火葬式では省略できます。

式場使用料・火葬料が最も高額になる場合が多いです。火葬場は公営・民営があり、公営であればかなり費用を抑えられ数千円から利用できるところもあるようですが、地域によってかなり金額は異なります。

通夜・葬儀・告別式の料理、返礼品・香典返しにかかる費用は、参列者の人数やグレードによって大きく変動します。また、参列者が増えるほど葬儀スタッフの数も増えるため人件費がかかります。

寺院に支払うお布施の金額もさまざまですが、宗派や戒名の階級によって大きく変動します。菩提寺との付き合いがない人でも、葬儀会社によっては僧侶を紹介できるところもありますので相談して見ましょう。

費用を抑える方法

葬儀費用は以下のような葬儀会社の割引や制度、または国の補助を受けることができます。

割引を利用する

葬儀会社によっては各種さまざまな割引制度があり、葬儀費用を大幅に抑えることができるものもあります。以下にいくつかの例をご紹介します。

会員制度の利用

葬儀社アーバンフューネス

事前に入会金1万円を支払い会員登録をすれば、葬儀プランによって5万円〜10万円割引。

出典:アーバンフューネス

出典:アーバンフューネス

 

葬儀会館TEAR(ティア)

事前に入会金1万円(WEB入会は7千円)を支払い会員登録をすれば、63万円以上の葬儀プランであれば52万円以上割引。

出典:TEAR(ティア)

出典:TEAR(ティア)

 

小さなお葬式

早割という制度に、登録料500円(2017/5/31まで無料)を支払い登録しておけば、登録から3年以内の葬儀が最大6万6千円割引。また、継続申込期間中に再申込すればさらに登録期間を3年延長可能。

出典:小さなお葬式

出典:小さなお葬式

互助会の利用
全国にある互助会が運営する葬儀場を利用すれば、葬儀費用を安く抑えることができます。また、互助会の会員なれば、毎月1千円〜2千円の積立をすることで、葬儀費用を30%〜50%も割引することが可能です。つまり、葬儀をしていない会員の掛金の利用と、非会員の施設利用料の利益が、会員に還元されるのです。

市区町村から支給される葬儀費

加入している保険や市区町村によって葬儀費用の一部が支給されます。加入している保険やパターンによって「葬祭費」「埋葬料」「埋葬費」と名称が異なり紛らわしいのですが、葬儀や埋葬にかかった費用の援助があることには変わりありません。

健康保険の場合
健康保険に加入している人の場合、埋葬料(申請者が被保険者・被扶養者)・埋葬費(申請者が被保険者・被扶養者以外の知人等)として、どちらも一律5万円が支給されます。

国民健康保険の場合
国民健康保険の場合、葬祭費として5万〜7万円が支給されます。(市区町村により異なる)

国家公務員共済の場合
国家公務員共済の場合、葬祭費として10万〜27万円が支給されます。(組合により異なる)

後期高齢者医療制度に移行済みの場合
75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度は、一律5万円が支給されます。

【注意点】
・必ず申請が必要。
・死亡日から2年以内に申請しないと時効となる。
・保険料の未納があった場合は減額されることがある。
・交通事故等で、第三者の自賠責保険などから賠償金を受ける場合は支給されない。
・加入している保険のいずれか一つからしか支給されない。

生活保護受給者は実質負担¥0

喪主・施主が生活保護受給者の方は、葬祭扶助制度により実質負担¥0で葬儀をすることができます。しかし、葬儀内容が限定され、火葬式となる場合が多いようです。また、葬祭扶助支給額には上限があり、大人が約20万円、子供が約16万の支給です。(市区町村によって異なる)

葬儀会社の見分け方

良い葬儀会社

良い葬儀会社は、打ち合わせの中で葬儀内容を充実させるためにオプションをプラスするよう提案しますが、その分費用を抑えるために不要なものはマイナスしてはどうかと提案もします。そして、親族が納得できる「お別れのイメージ」を持てるまで親身になって相談に乗ってもらえます。不要なものは省略し、必要なものには十分費用をかけられる柔軟性があるのが特徴です。

悪い葬儀会社

悪い葬儀会社は、見積の内訳が不透明で柔軟性がありません。格安の基本プランで顧客を引きつけ、「故人が悲しむ」などと言い、オプションをプラスするよう提案しますが決してマイナスはしません。その結果、柔軟性のないありきたりな葬儀になってしまいます。

お別れのイメージが大切

葬儀内容を切り詰めて、葬儀費用を抑えるのにも限度があります。必要以上に費用を抑えた結果、「火葬式だと故人とお別れする時間が5分しかなかった!」と言ったことになりかねません。大切なのは、納得いくまで打ち合わせができる柔軟性のある良い葬儀会社を見つけ、思い描く葬儀のイメージと葬儀費用の良いバランスを見つけることです。

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