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<家族・親族編>夫婦や家族・親族間での御香典の金額・相場はいくら?

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身内の方がお亡くなりになった場合に、御香典の金額にお悩みではないでしょうか?

夫婦や家族・親族間の場合の御香典は、以前<会社・職場編>でご紹介した「お仕事関係の方への香典相場」よりも金額は上がります。

また、故人との関係性や地域、参列する他の親族との関係性によっても金額が変わるため、とても曖昧で仏事の中でも特に気を使う部分でもあるんですね。

御香典は葬儀と法事・法要の際にお渡ししますが、今回は葬儀(お通夜・お葬式)についての一般的な御香典相場をご紹介し、お悩みや疑問を解決できるようサポートさせて頂きます。

ぜひ、ご参考にしてみてください。

御香典の相場とポイント

御香典の相場を紹介しているサイトは他にもたくさんありますが、サイトによって金額はさまざまです。

また、葬儀関係会社・石材業界・互助会が御香典に関するアンケート調査を定期的に行っていますが、統計上の調査方法やサンプル数が異なるため、調査結果の金額に幅があり、あまり参考になりません。

ご自身でインターネットで調べたとしても「結局、自分はいくら出せばいいの?」と、なかなか問題の解決に繋がりにくいのが現状です。

そのため、さまざまな情報を参考に身内の方とご相談の上、最終的にはご自身で総合的に判断することが必要なんですね。

ここでは御香典相場を、「年齢別」「地域別」の特徴に分けることで、その判断に役立つポイントを解説します。

年齢別による相場

まず、以下の表は年齢別による一般的な御香典相場です。故人とご自身との関係ごとに、年齢別に一般的な御香典の最低金額を表しています。また、比較対象として「親しい友人」の相場も含めています。

故人 ご自身
20代 30代 40代以上
祖父母 ¥10,000〜 ¥10,000〜 ¥10,000〜
¥50,000〜 ¥100,000〜 ¥100,000〜
兄弟・姉妹 ¥30,000〜 ¥50,000〜 ¥50,000〜
その他の親族 ¥5,000〜 ¥10,000〜 ¥10,000〜
親しい友人 ¥3,000〜 ¥5,000〜 ¥5,000〜

傾向としては、ご自身の年齢が高いほど金額も高く、また故人との血縁関係が近いほど金額も高くなります。

やはりご両親のどちらかが亡くなった場合は最も金額が高く、20代であれば¥50,000〜、30代以降であれ¥100,000〜と高額です。次に兄弟・姉妹、祖父母、その他親族の順です。

また、ご自身の年齢が高いほど金額も高くなりますが、最も確実な方法はご自身と同じ年代の親族で聞きやすい人に直接相談し、金額を合わせることです。

地域別による相場

以下の表は、地域を「東日本」と「西日本」に分けて表した御香典相場です。

故人 地域
東日本 西日本
祖父母 ¥30,000〜 ¥10,000〜
¥100,000〜 ¥50,000〜
兄弟・姉妹 ¥50,000〜 ¥30,000〜
その他の親族 ¥10,000〜 ¥5,000〜
親しい友人 ¥5,000〜 ¥3,000〜

比較的、東日本での相場の方が高い傾向があります。

これは、東日本ではお通夜の弔問客に対して、食事や飲み物などを提供し故人を偲ぶ「通夜振る舞い」が行われることが多いためです。喪主側が負担する飲食代に対して、お礼や気遣いが込められた金額と言えるでしょう。

ご自身の地域で通夜振る舞いが行われるかどうかは、事前に身内の方に確認することをオススメします。香典の金額を直接聞く訳ではないですし、食事の準備等のお手伝いが必要かどうかの確認も兼ねる事ができるので、決して聞きづらいことではありません。

また、北海道と沖縄の場合は、上記の相場よりも若干金額が下がるというデータも一部あります。

御香典の調査データ

株式会社鎌倉新書が定期的に行っている「お葬式に関する全国調査」では、興味深い調査結果が出ています。

調査の概要は、2015年12月に過去2年半以内に葬儀に携わった40歳以上の男女への御香典に対するインターネット調査です。考慮して頂きたい点として、地域別ではないこと、40歳以上の男女であること、有効回答数が1,851件とサンプル数も極めて少ない中で行われた条件付きの調査ですので、あくまで参考程度にしてください。

御香典相場

出典:いい葬儀

このデータを見ると、結局のところ「やっぱり金額は人それぞれ」と、身も蓋もない結論に達してしまいます。

しかし、注目して頂きたい点が一つ、「自分の親」に対する調査結果です。

自分の親に対する御香典は、「¥50,000以上¥100,000未満」の金額が23.9%と多いのは分かるのですが、実は「¥5,000未満」の金額も32.3%と非常に多いのです。

逆に、配偶者の親や配偶者の兄弟・姉妹、その他親族と血縁関係が遠いほど¥5,000未満の割合が少なくなり、上記で解説した一般的な御香典相場のデータの割合が増えています。

そのため、このデータにはしっかり「世間体」が反映されている調査結果と言えるのではないでしょうか?

つまり、「自分の親の葬儀だから…自分が喪主だから…」と、世間体を気にせず御香典を節約している人もいるということです。

御香典に関する注意点

御香典をお渡しする場合には、いくつかの注意点があります。心を痛めているご遺族に対するマナーなので十分気をつけましょう。(さらに詳しい内容はコチラ

■注意点1:喪主側への配慮

葬儀を行うご遺族側には「返戻費用(会葬返戻・香典返し)」「飲食費用(お通夜・火葬中・葬儀後)」など参列者の数によって変動する費用があります。御香典はこの費用以上お渡しする事がマナーです。

■注意点2:お渡しする方法

御香典は、故人の宗教・宗派によって不祝儀袋の種類や書き方が異なるため注意しましょう。

■注意点3:お渡しするタイミング

お通夜か葬儀のどちらかで受付の記帳の際に一緒にお渡ししましょう。

■注意点4:お渡しする紙幣

お札は「古いお札」を使い、「4」「9」を含む金額は避けましょう。

最後に

結局、御香典とは以下のポイントを考慮してご自身で判断するものなのです。

  1. 年齢
  2. 地域
  3. 故人との血縁の深さ
  4. 故人との親しさ

特に「4.故人との親しさ」は金額に大きく影響し、例えば100万円なんて金額をお渡ししている人も中にはいらっしゃいます。しかし、これは極めて稀なケースなので、一般的には1〜3のポイントで判断して問題ないでしょう。

とても悩ましい御香典の金額。これまでのお話がご判断のお役に立てれば幸いです。

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